freee会社設立は、株式会社・合同会社の設立書類をオンラインで作成できる便利なサービスですが、「本当に無料なのか」「freee会計への加入が必要なのか」「電子定款や登記の手続きで困らないか」と不安を感じる人も少なくありません。
本記事では、freee会社設立で対応できること・できないこと、登録免許税などの実費、利用者の評判で見られるデメリット、マネーフォワードや弥生との違いを整理します。
結論として、書類作成の手間を減らせる一方、許認可が必要な事業の定款設計や設立後の税務・社会保険の届出は、別途確認や専門家への相談が必要です。
1. freee会社設立のデメリットとは?利用前に確認したい基礎知識
freee会社設立は、株式会社や合同会社の設立に必要な定款・登記申請書などを、質問に答えながら作成できるクラウドサービスです。
書類作成の知識が少ない人でも進めやすく、設立準備にかかる時間を短縮できる点が特徴です。
一方で、「freee会社設立を使えば会社設立がすべて無料になる」「入力だけで登記まで自動的に完了する」と考えると、利用後にギャップを感じる可能性があります。
サービスの利用料と、国や公証人に支払う法定費用は別であり、申請・払込みなど利用者自身が対応すべき手続きも残ります。
したがって、freee会社設立の主なデメリットは、サービス自体の機能不足というよりも、会社設立に必要な費用・手続き・判断をすべて代行してくれるサービスではない点にあります。
まずは、できることと対応範囲、必ず発生する実費を正しく把握しましょう。
1.1 freee会社設立でできることと対応していない手続き
freee会社設立では、会社形態、商号、本店所在地、事業目的、資本金、役員などの情報を入力し、会社設立に必要となる書類を作成します。
入力内容に応じて書類のひな形へ反映されるため、白紙から定款や登記申請書を作る負担を抑えられます。
ただし、作成した書類だけで会社が設立されるわけではありません。
株式会社であれば定款認証、資本金の払込み、登記申請などが必要です。
合同会社でも、資本金の払込みや登記申請といった手続きは必要になります。
| 項目 | freee会社設立で進めやすいこと | 利用者が確認・対応する必要があること |
|---|---|---|
| 会社情報の整理 | 商号、本店所在地、役員、資本金、事業目的などを入力して整理する | 会社の基本事項を決定し、入力内容に誤りがないか確認する |
| 設立書類の作成 | 定款や登記申請に関係する書類を作成する | 会社の実態や設立形態に合っているかを最終確認する |
| 定款認証 | 電子定款作成に必要な準備を進める | 株式会社の場合、公証役場で必要となる手続きを行う |
| 資本金の払込み | 払込証明に関する案内を確認する | 発起人の口座へ資本金を払い込み、通帳などの証明資料を用意する |
| 設立登記 | 登記申請書類を準備する | 管轄の法務局へ登記申請し、登録免許税を納付する |
特に注意したいのは、商号、本店所在地、事業目的、役員構成、出資比率といった入力項目です。
これらは登記内容に関わるため、安易に決めると後から変更登記が必要になることがあります。
変更登記には登録免許税などの費用がかかる場合があるため、設立前の段階で十分に確認することが大切です。
また、freee会社設立は一般的な会社設立手続きを効率化するツールであり、個別事情に応じた法的判断や税務判断を行う専門家ではありません。
たとえば、複数人で共同創業する場合、現物出資を行う場合、種類株式を発行する場合などは、通常より設計が複雑になることがあります。
入力を進められることと、その設計が自社にとって適切であることは別問題であるため、判断が難しい場合は司法書士、行政書士、税理士などへの相談も検討しましょう。
1.2 登録免許税など会社設立時に必ずかかる実費一覧
freee会社設立は無料で利用できる範囲がありますが、会社設立そのものには法定費用や実費がかかります。
サービス利用料が無料でも、登録免許税や定款認証の手数料まで無料になるわけではありません。
費用は株式会社と合同会社で大きく異なります。
一般に、定款認証が必要な株式会社は合同会社よりも設立時の法定費用が高くなります。
| 費用項目 | 株式会社 | 合同会社 | 支払先・概要 |
|---|---|---|---|
| 登録免許税 | 最低15万円 | 最低6万円 | 設立登記の際に必要となる税金。資本金の額に応じて計算される |
| 定款認証手数料 | 必要 | 不要 | 株式会社の定款を公証人が認証する際の手数料 |
| 定款の収入印紙代 | 紙の定款では4万円、電子定款では不要 | 紙の定款では4万円、電子定款では不要 | 定款を紙で作成する場合に必要となる印紙税 |
| 定款の謄本等に関する費用 | 必要になる場合がある | 原則不要 | 株式会社の定款認証に伴って発生する実費 |
| 印鑑作成費用 | 任意 | 任意 | 代表者印などを作成する場合の費用 |
株式会社の登録免許税は「資本金の額×0.7%」で計算されますが、15万円に満たない場合でも15万円が必要です。
合同会社は「資本金の額×0.7%」で計算され、最低額は6万円です。
そのため、資本金が少額であっても、登録免許税がゼロになることはありません。
株式会社の定款認証手数料は、資本金の額などに応じて異なります。
また、紙の定款を選ぶと収入印紙代4万円が発生します。電子定款を利用すれば収入印紙代は不要ですが、電子定款に必要な準備や手続きの内容は事前に確認しておく必要があります。
つまり、freee会社設立を利用する際は、「ツールの利用料金」と「会社設立の法定費用」を分けて資金計画を立てることが重要です。
設立登記を行う前に、会社形態ごとの費用、資本金、印鑑作成などの周辺費用を合算し、必要な資金を確保したうえで手続きを始めましょう。
2. 知恵袋やSNSで見るfreee会社設立のデメリットとトラブル事例

freee会社設立について知恵袋やSNSで情報を探すと、「思ったより費用がかかった」「設立後の手続きまで自動ではなかった」「電子定款の準備で止まった」といった声が見られます。
ただし、投稿内容には利用時期や法人形態、選択したオプション、個別の事業内容による違いがあるため、すべての利用者に当てはまるものではありません。
特に注意したいのは、freee会社設立は会社設立書類の作成を効率化するサービスであり、登記申請や許認可取得、税務・労務のすべてを代行するサービスではない点です。
サービスが担う範囲と、自分自身または専門家が対応すべき範囲を切り分けて理解しておくと、利用後のギャップを抑えられます。
| SNS・知恵袋などで見られる不満 | 起こりやすい背景 | 利用前に確認したいポイント |
|---|---|---|
| 無料のはずなのに費用が発生した | 登録免許税、定款認証手数料、印鑑作成費用などの実費と、会計サービスの利用料金を混同している | 無料となるサービス範囲と、会社設立で必ず必要になる法定費用を分けて確認する |
| 設立後に会計ソフトの料金が気になった | 会計サービスの無料利用期間や有料プランへの移行条件を十分に確認していない | 適用条件、無料期間終了後の料金、解約・プラン変更の方法を事前に確認する |
| 電子署名の手続きで進めなくなった | 電子定款の署名方法やマイナンバーカード、対応端末などの準備が不足している | 利用する署名方法と必要な本人確認手段、対応環境を早めに確認する |
| 作成した定款では許認可申請に使えなかった | 事業目的や役員要件など、業種固有の許認可要件を確認せずに入力している | 許認可の窓口や行政書士などに、定款記載事項と営業開始要件を確認する |
2.1 freee会計の年間契約が実質必須と感じる利用者の不満
知恵袋やSNSでは、「会社設立は無料と聞いていたが、設立後にfreee会計の料金が必要になると知った」「会計ソフトを使わないと損をするように感じた」といった意見が見られます。
この不満は、会社設立支援サービスの利用料と、設立後に利用するクラウド会計サービスの利用料を同じものとして捉えてしまうことで生じやすい傾向があります。
会社設立の手続きでは、定款作成や必要書類の準備に加え、設立後の記帳、決算、法人税申告に向けた経理体制の整備も必要です。
freee会計はその後の経理業務を支援するサービスですが、会社設立の登記そのものに会計ソフトの有料契約が法的に必要なわけではありません。
一方で、freee会社設立の利用画面や案内のなかで、freee会計の利用開始、特典、料金プランなどに触れる機会があると、「申込みを続けるには契約が必要なのではないか」と受け取る人もいます。
申込み前には、会社設立支援と会計サービスのどこまでが無料対象なのか、無料利用期間が設けられている場合はいつ終了するのかを確認することが重要です。
2.1.1 「無料」の対象範囲を分けて確認する
「無料会社設立」という表現は、書類作成支援サービスの利用料が無料であることを指す場合があります。
しかし、株式会社を設立する場合には登録免許税や定款認証に関する費用が発生し、合同会社でも登録免許税は必要です。
また、電子定款の利用方法、印鑑の作成、専門家への依頼の有無によっても支出は変わります。
さらに、設立後にfreee会計を利用する場合は、選ぶプランや契約形態に応じた利用料金が発生することがあります。
会社設立時の実費、設立支援サービスの料金、会計ソフトの料金を別々に比較することが、想定外のコストを避ける基本です。
2.1.2 会計ソフトを継続利用するかは自社の経理体制で判断する
法人は、日々の取引を帳簿に記録し、決算書類や税務申告書類を作成する必要があります。
そのため、クラウド会計ソフトを継続利用することには、銀行口座やクレジットカードの明細連携、請求書管理、仕訳の効率化などのメリットがあります。
ただし、税理士に記帳や申告を依頼する場合、別の会計ソフトを使う場合、あるいは自社の運用方針がある場合には、freee会計を継続することが唯一の選択肢ではありません。
利用を開始する前に、税理士とのデータ共有の方法、必要な機能、月額または年額の費用を確認し、自社に合う方法を選びましょう。
2.2 電子署名やカードリーダーの設定でつまずくケース
電子定款を利用して会社設立を進める場合、電子署名や本人確認の方法に関する準備が必要になることがあります。
SNSなどでは、「マイナンバーカードを用意していなかった」「カードリーダーが認識されない」「パソコンの設定が分からず手続きが止まった」といった声が見られます。
電子署名に必要となる手段は、選択する手続きの方法や利用するサービスによって異なります。
マイナンバーカードを用いる場合には、電子証明書の有効性、暗証番号、カードを読み取るための機器や対応環境などを確認しなければならないことがあります。
スマートフォンやパソコンのOS、ブラウザ、周辺機器の対応状況によっては、設定に時間がかかる可能性もあります。
2.2.1 電子定款と紙の定款では準備事項が異なる
株式会社の定款は、公証人による認証が必要です。
電子定款を選択するか、紙の定款を選択するかによって、必要な準備や費用の考え方が変わります。
電子定款では、紙の定款に必要となる収入印紙を不要にできる一方、電子署名の方法やデータ作成、手続き環境の確認が必要です。
電子的な手続きに不慣れな場合は、単に「電子定款のほうが安い」と判断するのではなく、設定に要する時間、必要機器の有無、サポートを受けられる範囲を考慮する必要があります。
電子署名に関する準備不足は、登記申請までのスケジュール全体を遅らせる原因になり得ます。
2.2.2 法人設立ワンストップサービスと混同しない
会社設立には、定款作成、登記申請、税務署への法人設立届出書の提出、都道府県・市区町村への届出、年金事務所への手続きなど、複数の行政手続きが関係します。
オンラインで利用できる手続きがあっても、すべての届出が自動的に完了するわけではありません。
特に、法務局への登記申請と、設立後に必要となる税務・社会保険関係の届出は別の手続きです。
freee会社設立で作成できる書類、電子申請できる範囲、提出先ごとに本人が対応する必要がある事項を確認し、「入力が終わればすべて完了する」と誤解しないようにしましょう。
2.3 許認可申請の要件を満たせない定款を作成してしまうリスク
飲食店営業、建設業、宅地建物取引業、古物商、人材紹介業など、事業を始めるために許認可や届出が必要な業種では、会社設立時の定款内容が後の申請に影響することがあります。
テンプレートに沿って入力できる点はfreee会社設立の利点ですが、事業目的を安易に選ぶと、許認可申請で求められる表現や実態と一致しないおそれがあります。
例えば、事業目的は会社が営む事業を示す重要な項目です。
将来的に行う可能性がある事業を含めること自体は一般的ですが、許認可が必要な業種では、目的の記載だけでなく、営業所、専任者、資格者、資本金、財産的基礎、役員の欠格事由の有無など、個別の要件を満たす必要があります。
2.3.1 定款の事業目的だけで許認可の条件を満たせるわけではない
「定款に目的を入れれば営業を始められる」と考えるのは危険です。
許認可の可否は、定款の目的に加え、事務所の実態、必要な資格を持つ人員、営業保証金や財産要件、管理体制などを総合的に確認して判断されます。
そのため、会社設立ツールで定款を作成できたとしても、許認可申請の準備まで完了したことにはなりません。
許認可が必要な事業では、会社設立前に管轄行政庁の案内を確認し、必要に応じて行政書士などの専門家へ相談することが重要です。
2.3.2 後から定款変更をすると追加の手間と費用がかかる
設立後に新しい事業を始める際、定款の目的に必要な事業内容が含まれていない場合は、株主総会の決議を経て定款を変更し、変更登記が必要になるケースがあります。
変更登記には登録免許税がかかり、議事録などの書類作成も必要です。
もちろん、事業目的を必要以上に広く記載すればよいわけではありません。
取引先、金融機関、許認可の審査などで事業内容の説明を求められることもあるため、設立時点で予定している事業と中長期的に開始する可能性が高い事業を整理し、具体性と適法性を意識して検討することが大切です。
3. 評判から検証するfreee会社設立のメリットとデメリットの総点検

freee会社設立は、株式会社・合同会社の設立に必要となる情報を画面上で入力し、定款や登記申請書類の作成を進められるオンラインサービスです。
利用者の評判では「専門知識が少なくても進めやすい」という評価がある一方で、「すべての作業を自動化できるわけではない」「入力内容の判断は自分で行う必要がある」といった声も見られます。
重要なのは、freee会社設立を司法書士などの専門家へ手続きを完全に委任するサービスではなく、会社設立の書類作成や手続きの流れを効率化するための支援ツールとして理解することです。
できることと自分で対応すべきことを分けて把握すれば、設立準備にかかる時間や迷いを抑えやすくなります。
| 確認項目 | メリットとして評価されやすい点 | 利用前に理解したい注意点 |
|---|---|---|
| 書類作成 | 質問に回答する形式で定款や登記関連書類の作成を進めやすい | 商号、事業目的、本店所在地、役員構成などの内容が適切かどうかは利用者自身で確認する必要がある |
| 操作性 | 設立手続きの全体像を確認しながら作業を進められる | 法的な用語や会社形態ごとの違いを理解しないまま選択すると、後で修正が必要になる場合がある |
| 手続きの進行 | 必要な準備を順番に確認しやすく、作業漏れの防止につながる | 本人確認、資本金の払込み、印鑑届出、登記申請などは状況に応じて自分で対応する工程が残る |
| 専門家への相談 | 基本的な設立準備を自力で進めたい人に向いている | 許認可が必要な事業、出資者が複数いる会社、複雑な株式設計がある場合は専門家への確認が望ましい |
3.1 最短即日で書類が完成する手軽さと直感的な操作性
freee会社設立が支持される理由の一つは、会社設立の経験がない人でも、画面上の案内に沿って必要事項を入力し、書類作成の準備を進められる点です。
設立する会社の種類、会社名、本店所在地、事業目的、資本金、役員などの基本情報を整理しておけば、短時間で書類案を作成できるケースがあります。
特に、定款に何を記載するのか、登記までにどのような準備が必要かを一から調べる負担を減らせる点は大きなメリットです。
初めて起業する人にとっても、工程を可視化しながら進められるため、「次に何をすべきか分からない」という状態になりにくいでしょう。
ただし、「最短即日」で進められるのは、あくまで入力や書類作成の準備がスムーズに完了する場合です。
会社の設立登記がその日のうちに完了することを意味するわけではありません。
会社の設立日となるのは原則として登記申請日であり、登記完了までには法務局での審査期間が必要です。
また、入力画面が分かりやすいことと、入力内容の妥当性が自動的に保証されることは別問題です。
たとえば、事業目的は将来行う可能性がある事業も踏まえて検討する必要があります。
曖昧な表現や実態に合わない記載があると、許認可の取得や金融機関との取引などで不都合が生じる可能性があります。
操作が簡単であっても、会社の基本事項を決める責任まで代行されるわけではありません。
入力前に、商号の重複リスク、本店所在地、役員の任期、株式の扱い、事業目的を整理しておくことが、手戻りを防ぐポイントです。
3.2 資本金の払込や印鑑登録など手動で行う工程の煩雑さ
freee会社設立を利用しても、会社設立に関するすべての工程がオンラインだけで完結するわけではありません。
書類の作成を効率化できる一方で、資本金の払込み、必要書類への署名・押印、印鑑に関する準備、法務局への登記申請など、利用者自身が対応しなければならない作業があります。
とくに資本金の払込みでは、発起人の個人口座を使って払込みの事実を確認できるようにする必要があります。
単に口座に残高があるだけではなく、出資した金額や払込日、出資者が分かる状態で記録を残すことが大切です。
通帳の写しや取引明細など、登記申請時に求められる資料を適切に準備しなければなりません。
また、会社の印鑑を作成するか、どの印鑑をどの場面で使うかも検討事項です。
近年はオンラインで進められる手続きも増えていますが、取引先や金融機関との契約、各種届出などで会社印が必要となる場面はあります。
設立後の実務も見据えて準備を進める必要があります。
| 手動で確認・対応する主な工程 | 確認したいポイント |
|---|---|
| 会社の基本事項の決定 | 商号、本店所在地、事業目的、資本金、役員、決算期などを事前に決める |
| 資本金の払込み | 払込みの事実を確認できる口座記録や資料を保管する |
| 本人による意思決定・署名 | 定款や申請書類の内容を最終確認し、必要な手続きを行う |
| 法務局への登記申請 | 申請方法や添付書類を確認し、不備なく提出する |
こうした作業を「面倒」と感じる人にとっては、freee会社設立のデメリットに映ることがあります。
しかし、これらは会社を設立する以上、ツールの利用有無にかかわらず確認が必要となる重要な工程です。
freee会社設立は手続きを不要にするものではなく、必要な作業を整理し、書類作成にかかる負担を減らすサービスと捉えると、期待とのズレを防げます。
設立準備を円滑に進めるためには、利用開始前に会社の基本事項を決め、共同創業者や出資者がいる場合は認識をそろえておくことが重要です。
入力後も内容を見直し、判断に迷う事項や将来的なトラブルにつながりそうな事項については、司法書士、行政書士、税理士などの専門家へ相談する選択肢を持つと安心です。
4. 他社ツール比較で浮き彫りになるfreee会社設立の強みと弱み

freee会社設立は、株式会社・合同会社の設立に必要となる定款や登記申請書類を、質問に回答しながら作成できるオンラインサービスです。
マネーフォワード クラウド会社設立や弥生の会社設立支援サービスなども同様に、会社設立に必要な情報整理や書類作成を支援しています。
ただし、どのサービスを選んでも、登録免許税・定款認証手数料・収入印紙代などの法定費用が免除されるわけではありません。
また、会社設立後の税務・社会保険・許認可まで含めて専門家の個別判断が必要なケースでは、オンラインツールだけで完結しないこともあります。
比較時には「書類を作れるか」だけでなく、会計ソフトとの連携、設立後の業務との相性、サポートの範囲、自社で判断すべき手続きの有無を確認することが重要です。
4.1 マネーフォワードや弥生での会社設立手続きとの比較
freee会社設立、マネーフォワード クラウド会社設立、弥生の会社設立支援サービスは、いずれもオンライン上で会社概要や役員情報などを入力し、設立書類の作成を進める形式が中心です。
そのため、「オンラインで会社設立書類を準備したい」という目的だけであれば、特定のサービスだけが大きく優れているとは限りません。
一方で、設立後に利用する会計ソフトやバックオフィスサービスまで含めると、使いやすさは変わります。
すでにfreee会計の導入を予定している場合は、freee会社設立で入力した情報を起点に、設立後の会計業務へ移行しやすい点がメリットです。
反対に、マネーフォワード クラウド会計や弥生会計を使う予定であれば、それぞれのサービス群との親和性も比較対象になります。
4.1.1 主要な会社設立支援サービスの比較ポイント
| 比較項目 | freee会社設立 | マネーフォワード クラウド会社設立 | 弥生の会社設立支援サービス |
|---|---|---|---|
| 主な役割 | 質問形式で会社設立に必要な情報を整理し、書類作成を支援する | 会社設立に必要な情報入力や書類作成をオンラインで支援する | 会社設立時の情報整理や手続き準備を支援する |
| 設立後に検討しやすいサービス | freee会計、人事労務などのfreeeサービス | マネーフォワード クラウド会計などのマネーフォワード クラウドサービス | 弥生会計などの弥生製品・関連サービス |
| 向いている人 | 設立後もfreee会計を中心に経理やバックオフィス業務を進めたい人 | 設立後にマネーフォワード クラウドの利用を予定している人 | 弥生会計の利用経験がある人、または弥生製品を候補にしている人 |
| 共通する注意点 | 法定費用の支払い、資本金の払込み、印鑑届出、登記申請など、利用者自身で対応・確認すべき工程がある | ||
freee会社設立の比較上の強みは、設立準備を会計ソフトの利用開始につなげやすいことです。
法人を設立すると、売上・経費・役員報酬・口座取引・請求書などの管理が始まります。
設立直後からfreee会計を使う予定であれば、サービス選定や初期設定に迷う時間を減らせる可能性があります。
ただし、これはfreee会計を利用する予定がある人にとっての強みです。
会計ソフトをまだ決めていない人や、税理士から指定された会計ソフトを使用する人にとっては、会社設立サービスだけを理由にfreeeを選ぶ必要はありません。
会社設立ツールと会計ソフトは、設立後の運用まで一体で比較することが重要です。
4.1.2 比較時に確認したい機能・サポートの範囲
各サービスでは、対応する会社形態、電子定款への対応範囲、書類の作成方法、会計ソフトの利用条件、サポート窓口などが変更される場合があります。
利用料金や無料で利用できる範囲も、申込時期・プラン・キャンペーンの有無によって異なるため、申込み前に公式の案内を確認してください。
また、オンラインサービスの案内は一般的な会社設立手続きを対象とするものです。
たとえば、建設業・宅地建物取引業・人材紹介業・古物商など、許認可に関わる事業を始める場合は、事業目的、資本金、役員要件、営業所要件などを個別に確認する必要があります。
サービス間の比較では、書類作成の手軽さだけでなく、専門家への相談が必要になる場面も見極めましょう。
4.2 コストと手間のバランスから見る最適な会社設立手法
会社設立の方法は、大きく分けて「オンラインの会社設立支援サービスを使って自分で進める方法」と、「司法書士・行政書士・税理士などの専門家へ相談または依頼する方法」があります。
freee会社設立、マネーフォワード クラウド会社設立、弥生の会社設立支援サービスは、基本的に前者に位置付けられます。
オンラインツールを利用する方法は、必要事項を入力して書類作成を進められるため、設立手続きの全体像を把握しやすい点が利点です。
一方、情報の入力、資本金の払込み、必要書類の準備、法務局への登記申請などは、原則として利用者が内容を確認しながら進めます。
| 設立手法 | 費用面の特徴 | 手間の特徴 | 適しているケース |
|---|---|---|---|
| freee会社設立などのオンラインツールを利用 | 専門家への依頼費用を抑えやすい一方、法定費用は別途必要になる | 案内に沿って進めやすいが、内容確認や申請準備は自分で行う必要がある | 会社形態や事業内容が比較的シンプルで、必要事項を自分で確認できる場合 |
| 司法書士などへ登記手続きを依頼 | 法定費用に加えて報酬が発生する | 登記書類や申請に関する負担を軽減しやすい | 役員構成・株式設計・出資関係が複雑な場合や、手続きの正確性を重視する場合 |
| 税理士などへ設立後も含めて相談 | 相談内容や契約内容に応じて費用が発生する | 会計・税務・役員報酬・届出の論点を整理しやすい | 設立直後から経理体制や税務対応を整えたい場合 |
freee会社設立を使う際に見落としやすいのは、「サービス利用料」と「会社設立に必ず必要な実費」が別である点です。
たとえば株式会社では、定款認証や登録免許税が必要になり、合同会社でも登録免許税がかかります。
オンラインツールを利用しても、これらの法定費用そのものは原則として必要です。
また、費用を抑えることだけを優先すると、後から定款の目的変更や登記変更が必要になるおそれがあります。
事業目的、商号、本店所在地、役員任期、株式に関する事項などは、設立後の事業運営に影響します。
設立時の入力内容は「とりあえず埋める」のではなく、将来の事業計画と整合しているか確認してから確定することが大切です。
4.2.1 freee会社設立を選びやすい人・慎重に検討すべき人
| 判断 | 該当する人の特徴 | 検討のポイント |
|---|---|---|
| freee会社設立を選びやすい人 | freee会計の利用を予定している人、設立する会社の構成が比較的シンプルな人、手続きを自分でも確認できる人 | 設立から日々の経理までの流れを同じサービス群で整えやすい |
| 他社ツールも比較したい人 | マネーフォワード クラウド会計や弥生会計の導入を検討している人 | 設立支援サービス単体ではなく、設立後に使う会計ソフトの操作性や料金体系も確認する |
| 専門家への相談を優先したい人 | 許認可が必要な事業を行う人、出資者や株主の関係が複雑な人、定款内容に個別の検討が必要な人 | オンラインツールで作成を始める前に、司法書士・行政書士・税理士などへ相談する |
結論として、freee会社設立の弱みは、専門家による個別の法的・税務的判断まで自動で補えるサービスではないことです。
しかし、設立後にfreee会計を使う予定があり、会社の設計が標準的な範囲に収まる場合には、必要な情報を整理しながら手続きを進められる実用的な選択肢になります。
比較の際は、目先の無料・有料だけで判断せず、設立後の会計業務、自分で対応できる手続きの範囲、専門家に相談すべき論点を基準に選ぶことが重要です。
5. freee会社設立のデメリットを理解したうえで賢く活用する方法

freee会社設立は、会社設立に必要な定款や登記申請書類を作成する手間を減らせるサービスです。
一方で、登録免許税・定款認証手数料などの実費が無料になるわけではなく、設立後の会計処理や税務届出も自動で完結するわけではありません。
サービスの利便性を最大限に生かすには、「設立書類を作成するためのツール」と「設立後の経理・税務・労務業務」を切り分けて考えることが大切です。
会社設立を急ぐあまり、料金条件、必要な手続き、専門家への相談が必要な事項を確認せずに進めないことが、後悔を避けるポイントになります。
5.1 初年度のランニングコストを抑えるキャンペーンの活用法
freee会社設立では、会社設立後の会計ソフト導入を検討している人向けに、会計サービスの料金が割引または無料となるキャンペーンが案内される場合があります。
ただし、キャンペーンの内容、適用条件、対象プラン、無料期間の有無は変更される可能性があるため、申込み前に公式画面で確認してください。
特に注意したいのは、会社設立支援サービスの利用と、会計サービスの有料プラン契約が必ずしも同じ条件ではない点です。
「会社設立が無料」と表示されていても、これは書類作成支援の利用料を指すことがあり、法人設立に必要な実費や会計ソフトの更新費用まで含まれるとは限りません。
5.1.1 「無料」の対象と会社設立に必要な実費を分けて確認する
法人を設立する際には、サービス利用料とは別に、国や公証役場などへ支払う費用が発生します。
株式会社と合同会社では必要な手続きが異なるため、設立する法人形態に応じて予算を組みましょう。
| 費用・項目 | 主な内容 | 確認時のポイント |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 会社設立登記の際に納める税金 | 法人形態や資本金額により最低額・計算方法が異なる |
| 定款認証に関する費用 | 株式会社の定款を公証人に認証してもらう際に必要となる費用 | 合同会社は原則として定款認証が不要 |
| 電子定款の作成環境 | 電子署名、電子証明書、カードリーダーなどを利用する場合がある | 自分で電子定款を作成する場合は、利用環境と費用を事前に確認する |
| 会計ソフトの利用料 | 設立後の帳簿作成、請求書管理、決算申告などに利用する費用 | 無料・割引期間終了後の月額または年額、更新時期を確認する |
| 専門家への報酬 | 税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士などへ依頼する費用 | 許認可、登記変更、税務申告、社会保険手続きなど依頼範囲を明確にする |
資本金、役員構成、事業内容、許認可の有無によっては、設立後にも専門家の確認が必要になります。
会計ソフトの料金だけで比較するのではなく、初年度に必要な費用を一覧化し、資金繰りに無理がないか確認することが重要です。
5.1.2 契約前に確認したい料金・プラン・更新条件
会計サービスを利用する場合は、現在の業務量だけでなく、法人化後に必要となる機能を基準にプランを選びます。
たとえば、法人決算、消費税申告、請求書発行、給与計算、経費精算、権限管理などは、利用するプランや追加サービスによって使える範囲が異なることがあります。
また、年額契約と月額契約では、支払総額や契約期間中の変更可否が異なる場合があります。
割引額だけではなく、割引終了後に継続して支払う費用と、解約・プラン変更の条件まで確認してから契約することが大切です。
| 確認項目 | 確認する内容 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 割引・無料期間 | 適用開始日、終了日、対象となる契約 | 設立日ではなく申込日を基準とする条件がないか確認する |
| 自動更新 | 契約終了後の更新方法と請求タイミング | 継続利用しない可能性がある場合は更新前の手続きも把握する |
| 必要な機能 | 決算、申告、請求、給与、経費精算などの対応範囲 | 設立直後だけでなく、役員報酬や従業員雇用の予定も踏まえる |
| サポート体制 | チャット、メール、電話、税理士紹介などの案内範囲 | 税務判断や個別の法的判断は専門家への相談が必要か確認する |
事業規模が小さく、取引件数も少ない段階では、必要最低限の機能で始める方法もあります。
ただし、後から役員報酬の設定、従業員の採用、インボイス制度への対応、消費税の課税事業者選択などが必要になるケースもあるため、将来の事業計画も踏まえて検討しましょう。
5.2 会社設立完了後に必要となる税務署や年金事務所への届出対策
会社設立登記が完了しても、法人として必要な手続きがすべて終わるわけではありません。
税務署、都道府県税事務所、市区町村、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークなどへの届出が必要になる場合があります。
届出の要否や期限は、事業内容、役員報酬の有無、従業員の雇用状況、給与の支払い方、所在地などによって変わります。
登記完了日を起点に必要書類と提出期限を管理し、該当する届出を漏れなく進めることが、設立後のトラブル防止につながります。
5.2.1 設立直後に確認したい主な税務・社会保険の手続き
以下は、法人設立後に検討・提出することが多い書類の例です。
すべての法人に同一の届出が必要とは限らないため、自社の状況に当てはめて確認してください。
| 提出先 | 主な届出・手続き | 主に確認が必要となるケース |
|---|---|---|
| 税務署 | 法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書など | 法人を設立した場合、青色申告を希望する場合、役員・従業員へ給与を支払う場合 |
| 都道府県税事務所・市区町村 | 法人設立・設置届出書 | 本店所在地の自治体へ法人設立を届け出る場合 |
| 年金事務所 | 健康保険・厚生年金保険の新規適用届、被保険者資格取得届など | 法人事業所として社会保険の加入手続きが必要な場合 |
| 労働基準監督署 | 労働保険に関する届出 | 労働者を雇用する場合 |
| ハローワーク | 雇用保険に関する届出 | 雇用保険の加入要件を満たす従業員を雇用する場合 |
提出期限が定められている届出もあるため、「決算月になってから準備する」「従業員を採用してから調べる」といった対応は避けるべきです。
設立日、事業開始日、給与支給開始日、従業員の入社日をカレンダーに登録し、必要書類を期限前に準備すると管理しやすくなります。
5.2.2 青色申告・役員報酬・消費税は早めに方針を決める
法人の税務では、設立後の選択や届出のタイミングが税額計算や事務負担に影響することがあります。
特に青色申告、役員報酬、消費税の扱いは、設立後に検討する代表的な事項です。
- 青色申告:欠損金の繰越控除などの制度を利用するためには、所定の申請が必要です。
- 役員報酬:法人税上の損金算入に関するルールがあるため、金額や改定時期を安易に決めないことが必要です。
- 消費税:資本金、売上見込み、取引先の要請、インボイス制度への対応などを踏まえ、課税事業者となるかを検討します。
- 源泉所得税:役員報酬や従業員給与を支払う場合は、源泉徴収および納付に関する事務が発生します。
これらは会社ごとの資金繰り、利益見込み、役員構成、取引先との関係によって適切な判断が変わります。
freee会社設立で書類作成を効率化できても、税務上の有利・不利を自動で判断できるわけではありません。
判断に迷う場合は、法人税務に対応できる税理士へ相談しましょう。
5.2.3 設立後の業務を滞らせないための管理方法
会社設立直後は、登記、口座開設、法人カードの準備、請求書発行、会計入力、届出、契約締結などの業務が集中します。
作業を属人的に進めると、提出漏れや証憑の紛失が起こりやすくなります。
そこで、設立直後から次のような管理ルールを決めておくと、経理と税務の負担を抑えやすくなります。
- 会社名義の銀行口座と個人用口座を明確に分ける
- 事業に関する領収書、請求書、契約書を保存する場所と担当者を決める
- 売上と経費を発生した時点で記録し、月ごとに会計データを確認する
- 役員報酬、外注費、給与、立替経費を混同しない
- 届出書の控え、登記事項証明書、定款などの重要書類を整理して保管する
- 決算月と税務申告期限から逆算して、月次の確認日を設定する
freee会社設立は、設立書類の準備を効率化したい人にとって有用な選択肢です。
しかし、費用面では実費と継続利用費を分けて確認し、手続き面では設立後の届出と経理体制まで計画する必要があります。
「会社を作ること」をゴールにせず、設立後に継続して事業を運営できる体制を整えることが、サービスを賢く活用するための最も重要な考え方です。
本記事を読むことでその流れをスムーズに理解し、効率的に進めるための知識を得ることができます。それぞれのステップで必要な情…
6. まとめ
freee会社設立は、必要事項を入力しながら定款などの書類を作成できる便利なサービスですが、会社設立にかかる費用そのものが無料になるわけではありません。
株式会社では登録免許税や定款認証手数料など、合同会社でも登録免許税などの実費が必要です。
また、資本金の払込み、法務局への登記申請、設立後の税務署・年金事務所等への届出は、状況に応じて自分で対応する必要があります。
許認可が必要な事業や出資者・役員構成が複雑な場合は、作成する定款が要件に合うかを慎重に確認しましょう。
手軽さを活かしつつ、会計ソフトの料金、電子申請の準備、専門家への相談が必要な範囲を事前に比較することが、freee会社設立を賢く利用するポイントです。